様々な医療スタッフが連携している診療科
他の多くの診療科では専門医がメインで治療を行うことが多いものですが、この点で放射線科は異なっています。
放射線科は直接患者さんと接する機会があまりないことから、治療を行っているという認識を患者さんに持たれないこともあります。
実際に放射線科は放射線診断と放射線治療を2つの重要な業務の柱としています。
放射線科は放射線専門医や放射線検査技師、看護師と連携を行いながら業務を行います。
その際には先進の医療機器などを使用し、最適な放射線診断や治療を行います。
いわば、放射線治療のスペシャリストの診療科ということができます。
放射線診断とは
身体の中の状態は触診や血液検査だけでははっきりしないことがあります。
こういった場合のために身体の中を画像診断によって検査する必要があります。
各診療科の医師からの依頼が入り、必要な部位の画像を撮影していくのが放射線診断です。
放射線診断のスペシャリストが診断を行い、その結果を依頼した医師にレポートとして届けます。このレポートは直接治療に生かされていきます。
この診療科は画像における病院全体のコンサルタントということができ、他の診療科の治療に非常に役立っています。
放射線診断と他の診療科の医師の治療があってこそ、適切な治療を行うことができるのです。
放射線治療とは
現代の死亡原因として上位になっているのはがんですが、がん治療は様々な方法によって行われています。
外科治療は手術によって腫瘍を摘出していきますが、これ以外には化学療法があります。化学療法は抗がん剤を点滴しながら治療を行っていきます。
ただこれら単独で行うよりも、放射線治療を組み合わせて治療を進めることが標準となっています。
放射線治療は、臓器を守りつつがん細胞に放射線を照射し、縮小させる治療法のことす。
乳がんや子宮がん、咽頭がん、食道がん、といったがんの治療として用いられています。
この放射線治療は放射線科の主要な業務となっています。
進化する放射線科の業務
最近では放射線科の検査に使用する機器は進化を遂げており、大きな病院では最新の機器を備えています。
一般に撮影した画像はどの病院でもデジタル化され、コンピューター管理や診断ができるようになっています。
これによってフィルムレスが実現し、簡単に様々な診療科の医師が簡単で早くデータの閲覧ができるようになってきました。
また放射線治療に関してもさらに進化を遂げてきており、大きな病院ではがん治療も高度になってきています。
放射線科の存在は患者さんに直接知られないこともありますが、実は他の診療科とも関連性が高く、重要な診療科だということができます。